一品入魂、手仕事主義。

のれんなどの仕事は、主に御注文いただいてからになります。 今回はお世話いただいてる「仙頭酒造場」さんの 日除け暖簾が染め上がるまでの工程を 簡単にご紹介させていただきます。 まずは白生地にデザインを下絵描きします。 今は、プロジェクターを使っていますが、 下絵は下絵液で手書きでうつしていきます。
下絵にそって、平筒で糊をいけていきます。
輪郭をいけてから、文字のすべてに伏せ糊を置き 生地の裏側から水を引きます。 裏からも糊を入れるのが一般的ですが、 状態の良い糊なら、この時に生地裏からものさしなどでしごいてやると 糊が裏に抜けてくれます。 糊が裏まできれいに抜けてないと、輪郭がにじんだりして いい仕事になりません。
糊がじゅうぶんに乾いてから大刷毛で染料を引きます。 均等に染料を刷毛でひろげていくわけですが、 「刷毛引き3年」と言われる基本中の基本です。
空気が乾燥する季節は、糊が反り返ったりひび割れたりするので、 糊にグリセリンを入れて調節しておきます。 また湿気の多いときは、糊がふやけて輪郭がぼやけたりするので ジェットファンヒーターなどでじゅうぶんに乾燥させる必要があります。
裏側からも染めむらが無いか、よく確認します。 じゅうぶん乾燥させてから色止めなどの処理をして 糊を落とすために水桶に一晩漬けます。
糊をブラシなどできれいに落とし、 じゅうぶん水洗いをすれば完成です。

Konya Mohei

お誂え暖簾やタペストリーなどを 主に製作する筒描き染め仙人でございます。

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