真糊

わたしの仕事において肝心要なのが「糊置き」でございます。

生地の上に糊を置くという工程なのですが、

円錐形の糊筒で線の太さにあわせて口金を交換し

描いていくわけでございます。

これは裏から見たところでございます。

このようにきれいに裏に抜けてないと

いい仕事になりません。

糊で描いた線は、染まらない部分ですので

色と色との境や白い線模様として染め上がります。

ですから「真糊(まのり)」の状態で

仕事が左右されるわけです。

修行中は、この真糊を炊くことから始まりました。

もち米の粉と塩と糠をあわせ、大鍋で1時間以上かきまぜながら

炊くわけですが、なかなか大変な作業でございました。

市販のものもありますが、なかなか気に入った糊に出会えませんでした。

それほど「真糊」は繊細なもので、

こだわりの糊は、やはり自分の配合で自分で炊くべきでしょう。

わたしは気に入った業者さんをみつけましたけど。


Konya Mohei

お誂え暖簾やタペストリーなどを 主に製作する筒描き染め仙人でございます。

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